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【FX運用】月末円買いのアノマリーの利用者増加による影響について
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今回は私の公開しております「Power_of_Japan」を始めとする月末アノマリーEAが昨今注目を浴びてきました。
このアノマリーの利用者が増えることによる運用の影響について私自身の考察を踏まえてここで公開したいと思っております。

また、同種のロジックを使用したEAが今後市場に出る可能性もあると思いますが、そちらについて私自身は何も言うことはありません。
そもそも、「EA作れる人は自分で作っていいよ」って意味でロジックを全公開していましたしね(*'ω'*)

結論

まず最初に結論を述べさせていていただきます。

複数人による運用による影響は少ないものである。
と私自身は考えております。

この理由について、下記の項で説明をしたいと思います。

月末アノマリーとは

そもそもpower_of_Japanはアノマリーではありません。

現在、Power_of_Japanを始めとした月末円買いのロジックを月末アノマリーとSNS上で書かれておりますが、私自身の見解としまして、本ロジックは決して「アノマリー」では無いという事を最初に書かせて頂きたいと思います。

そもそも「アノマリー」とは下記の科学的根拠のない経験則の事を表しております。

理論的根拠があるわけではないが、よく当たる相場での経験則のこと。
相場格言として伝えられているものが数多くあります。一般的には、いわゆる法則や理論から合理的な説明ができない現象を「アノマリー」といいます。

化学的根拠については下述しますが、ちゃんとした根拠があるロジックとなっております。
なので開発者としては容易に「アノマリー」と分類されるのは不本意であります。

Power_of_Japanのロジックについて

月末円買いのロジックについては私の開発しました「Power_of_Japan」のロジックを元に今回は検証を進めたいと思っております。
その為、ここでロジックについて軽く触れておこうと思います。

ロジック

・USDJPYの通貨ペアで取引を実施する。
・毎月23日から31日に取引を行う。

・日本時間の8時~15時までUSDJPYの売りポジションを保有する。

ロジックについては上記のみとなっております。
ロジックの内容については下記のページで開設してありますので、こちらをご覧ください。

 

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収益の出る理由

どこから収益を出している?

Power_of_Japanでは、下記のように説明しました。
日本の企業が海外の活動で得たドルを決算のタイミングで円へ転嫁します。
そのタイミングでは円を実際に日本企業が購入している為、市場では円高となります。

要するに、日本企業は事業で得た外貨を日本円に転嫁するとき、為替変動を起こしてしまっています。
その結果円高になりますので、結果として日本企業は為替差損を被っております。

つまり、本ロジックでは日本企業の為替差損を取りに行くというトレードとなっております。
一般的なEAやトレードでは、他のFXユーザの損失部分を利益として取っている物がほとんどとなっております。
しかし、本ロジックでは日本企業が為替時に出している損失を利益としています。

補足ですが、日本の企業が活動している日本時間8時~15時という時間帯は欧州やアメリカで取引があまり行われない時間となっております。
それらの要因により日本国内の為替事情が、相場全体にもたらす影響力が大きいという事も一つの要因になっていると考えております。

逆に日本から海外に出ていくお金もあるじゃないかと思われる人もいると思います。
しかし、日本は自動車や半導体部品等を広く輸出しているいわゆる「輸出大国」です。
アメリカとの貿易摩擦等が度々取り上げられる程度には、日本へUSDの流入量が大きいです。
その為、「日本が輸入国家になる」等の大きな構造変化が起こらない限り、本ロジックは崩れない物と考えております。

JT(日本たばこ)の収支報告書から実際のお金の流れを見てみる。

どの様なロジックであるか分かってもらったうえで、実際のお金の流れを見ていきたいと思います。
今回は海外の事業が完全に別セクターとなっており、データの確認が容易な日本たばこの決算書を例に見ていきたいと思います。
こちらで解説するデータをみて頂ければ、安心してどうロジックを運用していただけると思っております。

さらに、決算書に行く前に、日本たばこの特異な点を一点ご紹介いたします。
実はJTは利益の大半を「配当」として分配しております。

これは他の企業ごとに違うのですが、JTの配当比率は驚きの78%となっております。
※1株益が196円、1株当たりの配当金が154円の為

なので、少なくともJTについては海外たばこ事業で得た収益のほとんどが円転嫁されていると考えて良いと考えております。
他の企業の場合は、ここまで配当比率が高くないので同じように計算することは出来ません。

序文が長くなりましたが、ここから決算書を見ていきたいと思います。

今回はJTの最新の四半期決算書(2020年7月~9月)を見ていきます。
下記に必要なところを抜粋したものを引用してあります。
リンクより四半期決算書のP6に行って頂けると、同様の文章があることを確認していただけると思います。

重要なのは「調整後営業利益」の部分となります。
営業利益とは売上より(原価・販売費・一般管理費)を除いた数字となっております。

この資料では7月から9月末までの3か月間の資料となっておりますので、3か月間で3000億円以上の収益を上げていることが分かります。
一月当たりの収益額は1000憶円となっております。

そして、先に述べた通り収益の78%は配当となっております。
配当は日本円で配られますので、必然的にこれらの収益のほとんどが日本に送られることとなります。
流石に一度に送られるものでは無いですが、決算が月末にある以上月末に流通量が増えているものと考えてよいと思っております。

JTだけを見た場合でも、月当たり1000憶円の円買い圧力が市場に存在するという事が、このロジックの肝となっております。

利用者が増えることによる考察

影響が少ないと判定する理由

日本企業による為替の影響力が大きい

JTの決算報告書を確認し、1000億円のUSDJPYの売り圧力があることが分かりました。
そこで、FXユーザが分かりやすい単位に直したいと思います。
USDJPY=110円、1Lot=10万通貨であると仮定した場合に
1000億円=9090Lot
となります。

本ロジックでは月の平均トレード回数は5回となります。
仮に月末に半額の500憶円が日本に流入しているとした場合は、1日当たり100憶=900Lotの売り圧力が存在することとなります。

また、これは企業サンプルをJTのみとし、最低限度の値で試算しております。
実際にはトヨタ等の大企業による円流入が存在しますので、これ以上のインパクトがあると言えます。

FXの仕組みの問題

日本企業の影響が大きいと言いましたが、もう一つ影響が小さくなる要因が存在します。
それは、FXによる為替市場への影響力が小さい事です。

FXは仕組み上、必ず決済注文をしなくてはなりません。
なので、FXユーザーの取引は為替市場では必ずゼロに回帰してしまいます。
また、ECN口座等で行われているユーザ間取引や、業者内の反対注文発生した時に証券会社内決済呑み業者の存在など市場への影響力が低下する要因をいくつも上げることができます。

これらの存在によりマーケットにおけるFXユーザの取引量は「市場に流れる絶対量」が私たちの感覚よりもだいぶ少なくなっていると考えます。
そうした、状況からFXユーザによる市場への影響度はかなり少ないものと私は考えております。

影響が出る場合について

仮にFXユーザの影響が大きくなった場合のことも考えてみましょう。
上記で試算しました100億円/日(900Pips)の売り圧力による為替差分よりFX取引による為替変動差分が超過した場合。
下記のような形でエッジが消失してしまう可能性は無いとは言えません。

ただし、グラフ内で明記しましたが実際の売り圧力はグラフより大きくなります。
また、FXユーザの取引圧力はFXの仕組みの問題もあるためマーケットへの流入量は限定されていると考えています。

このような事態が発生した場合でも、日本企業による円買いの圧力は基本的に無くなりません。
利益が出ない状況が続きましたら、FXユーザによる当ロジックの運用者数・ロット数は減少すると思われます。
そうすれば、また元のように利益が出る状態に回帰すると考えています。

補足

今回の検証では、市場はフラットであることが基本として考察しております。
実際の相場はフラットであることは基本的に無く、レンジあるいは何らかのトレンドの上に乗っております。

実際の相場の中での得意不得意は今回の検証とは別に存在しますので、これらについてはご留意ください。
相場における得意不得意については下記の記事に書いてありますので、ご覧ください。

おわりに

あ~、疲れた…
今までめんどくさくて、しっかりと明記していなかった部分を今回書くことが出来ました。
ただ、ここまで馬鹿正直に書かなくても良かったかなぁと思いました…
ユーザが増えて、明らかに利益が減ったらこの記事は非公開にするかもです。m(__)m

こちらの記事を見て、Power_of_Japanを始めとした月末トレードはアノマリーではなく、
しっかりと論理立っているロジックであると知っていただけたら幸いです。

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コメント一覧
  1. ロディ より:

    突然失礼致します。
    power_of_Japanについて教えて欲しいのですが、こちらのEAのバックテストをしたいと思いやってみたのですが、2005年からしてますが、1日で4ヶ月程しか進まないのですが、バックテストとはこう言う物なのでしょうか?
    初めてバックテストをやってみたのですが、かなり時間がかかり戸惑っております。
    パソコンのCPUはi7で特にスペックは悪く無いと思っているのですが。。
    2005年からするとかなり時間がかかる物なのでしょうか?
    教えて下さい。

    • Sawyer より:

      ロディ様
      はじめまして、EA作者のSawyerと申します。

      >>1日で4ヶ月程しか進まないのですが、バックテストとはこう言う物なのでしょうか?
      バックテストは基本的にそれほど時間が掛かるものではありません。(最適化をする場合は時間が掛かります。)
      1日で4か月とありますが、バックテスト自体が完了しないのでしょうか?
      バックテストの結果が(直近)4か月になってしまうのでしょうか?

      後者でしたら、ヒストリカルデータ(過去の為替レート)が4か月分しか入っていない可能性があります。
      自身のブログでバックテスト方法について触れておりませんので、外部リンクで申し訳ありません。
      下記のブログにヒストリカルデータのインクルード方法がありますので参考にして作業をしてみてください。
      https://mt4-ea.com/service/historical_data/

      バックテストが完了しない場合は、もう少し情報が無いとお答えすることが出来ません。
      バックテストが完了していない場合は、テスターの右下の「スタート」ボタンが「ストップ」になっていると思われます。
      現在もバックテスト中であるのか、まずは確認をお願い致します。

      • ロディ より:

        見知らぬ者にすぐに回答頂きありがとうございますm(__)m
        分かりにくい質問で申し訳ありません。
        バックテストは2005年から2020年12月でやってみました。
        しかし、1日経って4ヶ月程しか進まず、今も継続中です(あまりにも遅いので一旦辞めました)
        モデルを全ティックにしてるのでかなり時間がかかるとネットで見たんですが、あまりにも遅くて自分のやり方がまずいのかなと思い質問させて頂きました。
        2005年から2020年12月までやるとするとどのくらい掛かるものでしょうか?
        全ティックじゃない方がいいんでしょうか?
        全ティックじゃないと正確じゃないとネットで見たんですが、このロジックはスキャルじゃないからあまり拘らなくても大丈夫なんでしょうか?

        • Sawyer より:

          >>しかし、1日経って4ヶ月程しか進まず、今も継続中です(あまりにも遅いので一旦辞めました)
          >>モデルを全ティックにしてるのでかなり時間がかかるとネットで見たんですが、あまりにも遅くて自分のやり方がまずいのかなと思い質問させて頂きました。
          私のパソコンで全ティックにてバックテストを実施した場合は、数分程度です。
          質問ですが、テスタータブのスタートボタンの上にある、「最適化」にチェックは入っていませんでしょうか?
          こちらが入っておりますと、時間が掛かる可能性があります。
          また、他のEAのバックテストは実施できますか?

          >>全ティックじゃない方がいいんでしょうか?
          >>全ティックじゃないと正確じゃないとネットで見たんですが、このロジックはスキャルじゃないからあまり拘らなくても大丈夫なんでしょうか?
          Power_of_Japanの場合は30分以下の時間足でのバックテスト結果は全ティックとほとんど差はありません。
          全ティックに越したことはありませんが…

  2. ロディ より:

    回答頂きありがとうございます。
    最適化にはチェックは入っていません。
    他のEAはまだバックテストやった事がありません。
    今改めて、全ティックではなく、始値のみでやってみました。
    これでも2005年から2020年12月だと2時間くらいかかりそうです。
    期間はH1にしてますが、これがまずいんでしょうか?
    お手隙の際で構いません。
    回答いただけると嬉しいです。

    • Sawyer より:

      >>今改めて、全ティックではなく、始値のみでやってみました。
      >>これでも2005年から2020年12月だと2時間くらいかかりそうです。
      >>期間はH1にしてますが、これがまずいんでしょうか?
      Power_of_Japanをバックテストするのでしたら、M30、M15、M5、M1のいずれかで実施してください。
      これを変更しないと、正しいデータは出てこないと思います。
      これで時間が短くなるという事は無いと思いますが…

      手間は掛かりますが、一旦上記の設定に変更の上バックテストを最後まで実施していただいてよろしいですか?
      一つずつ確認していきましょう。

  3. ロディ より:

    Sawyer様
    上記の教えて戴いたサイトの通りヒストリカルデータからバックテストまでやってみたんですが、やはり全ティックでは最初にしたぐらいのスピードでしか進んでいません。
    期間もM30にしたのですが特に変わりはありませんでした。
    やはり私のやり方がどこか間違えているんでしょうね。。。
    いろいろ手間を取って頂き申し訳ございません。

    • Sawyer より:

      ロディ様
      >>上記の教えて戴いたサイトの通りヒストリカルデータからバックテストまでやってみたんですが、やはり全ティックでは最初にしたぐらいのスピードでしか進んでいません。
      >>期間もM30にしたのですが特に変わりはありませんでした。
      バックテストの方法をこちらでも再度確認したのですが、非常に遅いとのことでしたので「ビジュアルモード」になっていないでしょうか?
      これは、チャートを実際に確認しながらバックテストをするモードの為、処理が遅くなります。

      こちらでのやり取りも長くなりましたので、こちらから頂いておりますメール宛に連絡を入れます。
      そちらで直接やり取りをしましょう。

  4. ロディ より:

    Sawyer様
    原因がわかりました!!
    自分でも調べていたらビジュアルモードになっていたのですが、XMのMT4だとどうしてもビジュアルモードをオフにする事が出来ず、FXDD社のMT4で試した所、1分程で結果が出ました。
    全くの他人にここまで親切に対応して頂き感謝しております。
    こちらのEAを運用してみたいので、後日購入させて頂きます!
    本当にありがとうございました。

    • Sawyer より:

      ロディ様

      >>原因がわかりました!!
      良かったです(*'ω'*)
      >>こちらのEAを運用してみたいので、後日購入させて頂きます!
      ありがとうございます。
      急がずに購入はしっかりと検討してから行ってください!

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